採鉱におけるネットワークの最適化と拡張:ハウ・ツー・ガイド
重要なポイント:- ネットワークは、採鉱の現場と採鉱会社の技術的能力にマッチしたものでなければいけません。- 採鉱事業者は、3年から5年先の計画に沿ったネットワークを必要としています。- 採鉱ネットワークの寿命は、物理的な摩耗とデータの需要の拡大の両方によって決定されます。- バランスのとれたアプローチにより、採鉱事業者は、現在と将来のニーズの両方をサポートするネットワークを構築することができます。
採鉱事業者は、ネットワーク容量のニーズについてどのように計画を立てるべきでしょうか?
ネットワークを設計する際には、ニーズに関して2つの重要な問いかけがあります。1つは、現在と将来のネットワーク容量に対するニーズについてです。次に、5Gのような最も人目を引く最新のテクノロジーが本当に必要かどうかと、それに伴う技術的な課題を検討する必要があります。
容量に関しては、ネットワークを通じて何がしたいのかを明確にしておく必要があります。これがニーズ分析の初期段階です。採掘場や集積場がどのように成長・変化していくかを含め、少なくとも今後5年間における採鉱計画を考慮する必要があります。また、今後2~3年における自動化のロードマップも把握しておかなければいけません。
遠隔操作と自律性を導入することで、大量のデータ処理が求められるようになります。もしこれを希望する場合、セルラー方式が(少なくとも部分的には)提供できる、能力が格段に高いネットワークが必要です。したがって、今は必要なくても、その容量に合わせて構築することを選択できます。そうすれば、新しい採掘場で作業したり、新しいアプリケーションを購入したりするときに、移行がずっと簡単になります。
採鉱事業者がセルラー方式のネットワークを設計する際に考慮すべき現場特有の要因は?
まず覚えておくべきことは、セルラー方式のネットワークは、広い場所で何千人もの消費者がネットワークから情報をダウンロードすることを主目的として設計されているということです。これは露天採掘の場合にも当てはまります。露天採掘場には広々としたスペースがあり、カバーエリアが広大で、多くの機械が接続されているのです。違う点は、多くのデータが掘削機械からネットワークにアップリンクされていることです。
地下ではカバーエリアが狭く、データもアップリンクが大半を占めます。データは機械のカメラからネットワークに送られてきますが、これは一般的に私たちが消費者としてセルラー方式のネットワークを利用する方法とは異なっています。作業面では、ネットワーク機器を損傷から守るために遠くに置かざるを得ませんが、これは逆に遠隔操作ドリルへの接続に影響を与える可能性があります。あるいは、ネットワーク機器をワイヤレスでメッシュ化したり、費用対効果が高く、交換が簡単なネットワークコンポーネントを設置するなど、別の方法を考え出さなければいけません。
採鉱場ネットワークの一般的な寿命はどのくらいか?
特定のネットワークの寿命を予測するのは興味深い作業です。基本的には、2つの要素があります。1つは、単純に採掘環境の物理的な側面と、ネットワークインフラが直面する損耗です。
2つ目の要素は、新製品の市場投入です。5年から7年という時間枠の中で、技術は向上し、旧型の製品に代わる新製品が登場します。そして、ネットワークが旧式となり、テクノロジーが時代遅れになり始めると、ほとんどの企業は「新しいテクノロジーがあり、それを使って素晴らしいことができそうなので、心機一転したい」と言うようになるでしょう。
ネットワークの将来的な拡張に、どのように備えたらよいか?
上記のあらゆる点を考慮することで、ネットワークの重要なインフラは、将来の成長に対応できるよう、事前に設計することができます。ネットワークプロジェクトの最初の段階で、40メートルのタワーに機材を取り付けるのは、3年後に追加の容量が必要になったときに取り付けを行うよりも格段に簡単です。
最新かつ最高のネットワーク技術を手に入れることが、最初の動機であるかもしれませんが、新しい技術には、特に保守や運営の面で、新しい課題がつきものであることを念頭に置く必要があります。また、5G とそれが可能にするテクノロジーを最大限に活用できる現実世界の採鉱における使用事例は、まだ初期段階にあることも理解する必要があります。
これらのニーズを満たすために、LTE、5G、またはハイブリッドソリューションが必要かどうかは、多くの要因によって決定されます。現場固有の要件、現在のデータニーズ、そして今後数年間の計画について、現実的かつバランスよく検討することで、比較的に将来性があり、費用対効果の高いネットワークを構築することができます。
Nigel Slater、エピロックの 3D-P 事業開発ディレクター
Nigel Slater
エピロック(3D-P)の事業開発担当ディレクターであるNigel Slaterは、シニアリーダーとして、パートナーシップを通じて市場シェアを拡大することを視野に入れ、顧客と社内の双方における関係を戦略的に管理しています。オーストラリアのブリスベンを拠点とする Slater さんは、テクノロジーのさまざまな分野において、民間および公的機関の両方で豊富な経験を積んでいます。
3D-P
3D-P は、採鉱事業者が重要なデータにほぼリアルタイムでアクセスし、よりスマートな意思決定を行えるよう支援します。3D-P は、1996年に採鉱およびとポジショニング技術のエキスパートチームによって設立された株式非公開企業です。同社は、鉱業界に革新的な思考と新技術をもたらすことを目的として設立されました。その後、3D-P は進化を遂げ、世界中の屋外産業環境に同様なアプローチを導入しています。2021年、3DP はエピロックに買収され、アグノスティックな技術提供を強化し、お客様におけるデジタル化をサポートしています。詳細についてはwww.3d-p.com をご覧ください。