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トロンハイムの過酷な条件に対応する特別なソリューション

2016年6月23日

歴史を守る

ノルウェーではトロンハイムとスチェールダルを結ぶ東行きE6幹線道路の建設が、2014年の完成を目指して順調に進められています。しかしこのプロジェクトは、トロンハイム中心部へ入るための2.6 kmの道路トンネルの建設を始めとした、さまざまな問題に直面してきました。地質工学エンジニアと建設会社が難しい地質条件を克服する鍵となったのは、アトラスコプコのElemexケーシングシステムでした。
Geotechnical

徹底したリスク排除

文化遺産を保護するため、トロンハイム市当局は5つの壊れそうな木造建物を巨大なクレーンで吊り上げて無事に安全な場所に移しました。その作業の間、プロジェクトの地質工学エンジニアであるNCCが取り組んでいたのが、擁壁を設置するために地盤を安定化する方法を見つけることでした。現場の土壌には、粘土層が9~23メートルの厚さで広がり、地表からわずか1.5メートルに地下水面があるため、粘土層を乱したり地下水位を下げる可能性のある作業はすべて厳しく禁じられていました。

これは普通の慣例が通じる作業ではありませんでした。まず、予定されたトンネル経路は300メートルの水分が多くて緩い粘土層を貫通しており、うち100メートルは非常に繊細な「クイッククレイ」でした。次にこの経路は、木製の杭を基礎として建てられた多くの歴史的な木造建築物の近くを通っていました。そのため、粘土層に振動を与えて擾乱を起こし、歴史的建造物に損傷を及ぼす可能性がある油圧式衝撃ハンマーは使用できませんでした。

新たな手法の試験

ノルウェー道路庁は請負会社と協力して、パイプ長に沿ってインターロックシステムを装備した掘削ケーシングを使った新たな手法を試験することを決断しました。ピエゾメーター、合計圧力、クリノメーターの試験など広範な計測が実施され、アトラスコプコの大口径ケーシングシステムElemexがすべての要件を満たす唯一の手段であることがすぐに明らかになりました。

掘削作業に合わせた開発

ケーシングパイプに取り付けるリングビットと内側のドリルストリングに取り付けるパイロットビットで構成されるElemexビットは、ビット面に緩やかな空気を排出してリングビットを駆動させます。これによりパイプが岩盤に突き当たるまで粘土層に徐々に貫入させることが可能になります。岩盤に達したら通常と同じ方法でパイロットビットを使って岩盤を掘削します。パイプが岩盤にしっかりと設置されたら、内側のドリルストリングを抜き取り、残ったパイプにセメントを注入できます。

"Elemexシステムは、今回の作業の特殊なニーズに最適な選択でした。連続したソリューションなので、1回のオペレーションで粘土を通過して岩盤まで到達することができます。正しいやり方をマスターすれば、以降は決まった作業として繰り返せます。"

Geir Veslegard, General Manager for Hallingdal Bergboring

防水性と耐荷重性

ケーシングを所定の位置まで掘削して設置するために、2台の改良されたシート杭打ち装置には、それぞれアトラスコプコのQL200ハンマーが装備されました。各パイプエレメントは610 mmのケーシングと674 mmのオーバーサイズのリングビットを使って、互いに容易にスライドするように固定されています。穴は後に続く新しいケーシングが通過できる大きさで掘削されました。このセットアップにより、合計349のインターロックパイプが深さ11~33メートル、および0.2~4.6メートルの範囲内の硬質岩石に設置され、その結果、水平方向および垂直方向にも防水性と耐荷重性を兼ね備えた擁壁が構築されました。

遅延のない遂行

やり方をマスターした後は、請負業者は平均で長さ20メートルのケーシングを1日に14本設置し、岩石を1.5~4メートルボーリングするようになりました。また振動回転方式により、共振の問題も完全に解消されました。トロンハイムトンネルの掘削埋め戻しは2011年末に完成し、その後5つの歴史的建造物は元の場所に戻されました。トンネルは当初の予定どおり2012年初めに開通しました。
Geotechnical

お客様
Kynningsrud Fundamenteringおよび請負業者Hallingdal Bergboring社


課題
市の文化遺産を保護しながら、粘土層から岩盤までケーシングを貫入させること

アトラスコプコのソリューション
• 2台の改良されたシート杭打ち装置
• 2機のアトラスコプコQL200 DTHハンマー
• 610 mmのケーシング
• 674 mmのオーバーサイズのリングビット
• アトラスコプコElemexシステム
• 振動回転方式

メリット
• Elemexは導入が容易で、シート杭打ち装置などの既存のリグと簡単に併用できる
• 都市部での作業に最適
• 表土と岩石の掘削を1回のオペレーションで実施できる設計
• エアフローと排出がパイプ内に戻ることで穴や周辺への損傷を最小限に抑える
• まっすぐで迅速な掘削

結論
Elemexは、環境への影響を最小限に抑えながらより速く、長く、まっすぐに掘削できる。

エピロックは、2018年1月1日まで「アトラスコプコ」の商標で操業していました。

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