迅速なボルト打設 - 強力な岩盤補強

坑内採鉱業務は、より深い地下での鉱石探索へ進んでいます。ますます難しくなっていく地盤状態での岩盤補強に関する困難が増えていますが、現在、新しいプロセスがあります。

1. 課題

Boltec E with pumpable resin option in underground mine, right side view
岩盤補強がトンネル掘削/発破工程における障壁となりました。機械化されたロックボルト打設機は、普通であれば非常に効率よくロックボルトとメッシュを取り付けることができます。しかし、より深い地下での採鉱作業では、地圧の増加によって、多くの場合岩の破砕が増え、ロックボルトの打設が困難になります。スウェーデン北部でのLKABの坑内掘削事業では、セメントグラウトしたロックボルトが固化し、岩盤からの荷重を保持できるようになるまでに最大8時間以上かかる場合があります。地盤の破砕が増えるにつれて、これらのセメントグラウトしたロックボルトの取り付けを、許容可能な生産性の水準で達成するのが難しくなりつつあります。
スウェーデン北部でのLKABの坑内掘削事業では、セメントグラウトしたロックボルトが固化し、岩盤からの荷重を保持できるようになるまでに最大8時間以上かかる場合があります。地盤の破砕が増えるにつれて、これらのセメントグラウトしたロックボルトの取り付けを、許容可能な生産性の水準で達成するのが難しくなりつつあります。
「私たちは、マルムベリエトのLKAB鉱山で、ロックボルト打設のプロセスをLKABの既存のボルトシステムより2倍高速にすることを主な目的としたプロジェクトを開始しました」と、エピロックのプロダクトマネジャー、ピーター・ブレイ氏は述べています。

「私たちはまったくの白紙の状態で、幅広いアイデアをブレインストーミングしました。その後、それらのアイデアを、妥当な時間内で妥当な成果を得られる最適なアプローチに絞り込んでいきました」
Close-up of bolting unit on Boltec E with pumpable resin option drilling in underground mine

"私たちは、マルムベリエトのLKAB鉱山で、ロックボルト打設のプロセスをLKABの既存のボルトシステムより2倍高速にすることを主な目的としたプロジェクトを開始しました。"

Peter Bray, Product Manager at Epiroc

2. ソリューション

セメントグラウトしたボルトに対する既存のソリューションは、グラウトを樹脂カートリッジに替えることです。これにより、固化する時間が大幅に短縮されます。しかし、カートリッジは破砕された地盤に取り付けるのが困難です。そこで、ボルトをすでに設置した状態で樹脂を注入できるとしたらどうでしょうか。

「私たちは、樹脂サプライヤと提携して、固化時間が早く、ボルト穴から樹脂が滴るのを防ぐケチャップのような粘度を備えたポンプ操作可能なタイプの樹脂を開発しました」とピーター・ブレイ氏は述べています。

樹脂の開発と並行して、既存のタイプのロックボルト(セルフドリルアンカー:SDA)を改良して、ポンプによる樹脂の注入を可能にしました。SDAボルトは、本質的に、端にドリルビットが溶接された中空のスチール製チューブです。設置する時にはドリルスチールのように機能し、岩盤に設置されるとボルトのように機能します。

ポンプ操作可能な樹脂システムの開発中に克服しなければならなかった大きなハードルは、詰まりをなくしてミキサーを繰り返し使用できるようにするために、樹脂ミキサー要素を洗い流すソリューションを見つけることでした。数回の試行の後、混合されていない樹脂を放出することなく閉鎖システムを維持しながら、安定して信頼性の高い排出を実現するシンプルなソリューションを発見しました。最終的には、設計のすべての側面が調和して機能するようになりました。

3. 成果

改良したEpiroc Boltec Eマシンについて、2018年の5月から8月の4か月間にかけて、LKAB社のマルムベリエト坑内鉄鉱石鉱山で、マシンを日中稼働させる現場テストを実施しました。結果は非常に有望なものでした。「既存のセメントグラウトソリューションと比較して生産性が64%上がったのです。LKAB社にとってこれはかなり満足できる結果でした。オペレータは、マシンの使用経験が増えれば生産性はさらに向上するだろうと感じたと言ってくれました」とピーター・ブレイ氏は述べています。
Front view of Boltec E with pumpable resin option in underground mine
ポンプ操作可能な樹脂システムの主な利点の1つは、シフトごとに数回洗浄する必要があるセメントグラウトマシンと比較して、洗浄とメンテナンスをしなければならない回数が大幅に少なくなるということです。

「あまりメンテナンスする必要はありません。シフトの終わりにオペレータはBoltecをオフにしただけで、立ち去りました。オペレータたちはそのマシンが大好きなので、現場テストが終了したときに非常に不満そうでした」と、ピーター・ブレイは言います。

SDAボルトを使用したポンプ操作可能な樹脂も、ボルトの全長を15メートルに延長したエクステンション掘削で試験しました。結果は素晴らしいものでした。エクステンションボルト打設はシステムの柔軟性をさらに高めるもので、状態が悪い岩盤におけるケーブルボルト打設に取って代わる可能性があります。

「一部の岩盤状況では、このマシンは最高のソリューションとなります」とピーター・ブレイは言います。

Boltec E 海外 地下岩盤掘削 2019 顧客事例