2023年4月5日
スウェーデンの真ん中、ガーペンバーグという小さな町には、広い鉱山地帯が広がっています。深さ1,510メートル、スウェーデンで最も古く、現在も稼働中の鉱区で、エピロックの長きにわたるパートナーである Boliden が運営しています。ここでは、亜鉛、鉛、銀、銅、金などを含む複合鉱石が採掘されています。
2014年、Boliden は、ガーペンバーグ鉱山の操業の信頼性、環境、コスト効率を高めるために自動化プロジェクトを開始しました。
このプロジェクトの課題のひとつは、ドリルビットの交換でした。作業員の安全面はもちろん、ビットの頻繁な交換は、設備全体の効率に影響しており、自動化や遠隔操作の導入にも問題がありました。
ビット交換の回数を減らすことは、作業員を危険なエリアから遠ざけるために重要であった一方、掘削メートルあたりの中断回数を減らすことで、生産量の増加にも貢献すると考えられました。作業員をコントロールルームに移動させることで、作業員は複数のリグを同時に管理し、休憩時間にはリグに掘削を継続させることができるようになりました。
"Epiroc と Boliden は、 Boomer の自動化機能の使用を増加・最適化することを目的として、 ガーペンバーグでコラボレーションプロジェクトを開始しました。また、遠隔操作利用の準備をすることも、プロジェクトの目的のひとつでした。プロジェクトのある時点で、鉱山の特定の部分でビットの交換が頻繁に行われることは、私たちの取り組みにとって問題であるだけでなく、実際上も重大な停止要因であることが認識されました。全断面掘削での耐久性を高めることを目的に、Epiroc Powerbit X をプロジェクトに導入することが提案されました。当初は、ビットが長持ちするかどうかについて懐疑的な意見もありましたが、私たちは、ダイヤモンド技術はこの課題に適した選択であると確信していました。"
試験は2022年5月に開始され、その後4か月間続けられました。この間、エピロックは Boliden の開発用ドリルリグの1つとして、エピロック Powerbit X を継続的に供給しました。ビットに加えて、エピロックは、ロッド、シャンク、カップリング、リーマーを含め、互換性のあるエピロック SR35 ドリルストリングを供給し、システム性能を最適化させました。
試験中、エピロックのアプリケーション・スペシャリストとエンジニアが、お客様のプロジェクトチームをサポートしました。ガルペンバーグ鉱山での岩石条件について理解を深めた後、ビット性能を向上させるために製品改良がテストされました。
"トレールは順調に進み、結果は期待を上回るものでした。予想以上のメートル数を掘削し、作業員のシフト中におけるビット交換をほとんどなくしました。Epiroc Powerbit X は、作業員を掘削エリアからコントロールルームに移動させることで、自動化を進めるチャンスを拡大させます。"
この共同プロジェクトは両社にとって有益であり、エピロックの Powerbit X は、1断面だけでなく、試験中に複数の断面を掘削することができ、あらゆる点で期待を上回る結果を得ることができました。
この試験により、Boliden は、ドリルビットの性能を加速的に高めるにはどうしたらよいか、切羽掘削用途での自動化実装をサポートするにはどうしたらよいかについて、理解を深めることができました。エピロックは、要求の厳しい岩盤条件に対するソリューションとして、PCD 技術をさらに発展させ、自動化や遠隔操作に対する顧客の要望をサポートするために必要なことを学びました。
ガーペンバーグ鉱山のオートメーション化を進めるにあたって、両社は、今後も協力を続けていきます。
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